2005年 09月 07日
LEEP体験記
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いよいよ今日は、LEEP(Loop Electrosurgical Excision Procedure)を受ける日だ。子宮ガン検診で子宮頸部に中~高度の異形成(前ガン状態と呼ばれるもの)が見つかり、高周波電気メス(Loop)でその部分を切り取る処置を受けることとなった。
実は昨日インターネットで、同じようにアメリカでLEEPを受けた人の体験記をたまたま見つけたのだが、「局部麻酔は4本でとても痛かった」「Loopで切り取られる時ほとんど痛みは感じないが、肉をえぐり取られている感触ははっきりとわかった」「たとえ痛くても、危険なので絶対動いてはいけないと言われた」などの記述を読み、恐ろしさのあまりひとりで泣いてしまった。
その話をトムにすると、「絶対にそんなに痛いはずはない。もしそんなに痛かったら1000ドルあげるから好きなものを買っていい」と、妙な慰め方をしてくれた。痛くなったら「何を買おうかな」と楽しいことを考えて痛みを紛らわせばいい、と言うのだ。
不安な気持ちとはうらはらに、昨夜はぐっすりと眠れた。案内によると、今日は「ミニマルメイクアップで」「前開きのカジュアルな服で」来院するように、とのこと。いつものように日焼け止め色付き乳液を塗り、眉毛を描き、ジーンズと前開きの黒いシャツを身に着ける。
看護婦さんに名前を呼ばれてトムと一緒に中に入る。そこは Pre-operative Area 兼 Recovery Area で、ゆったりとした一人掛けのソファーがある。そこに座って問診を受け、体温と血圧、脈拍を測った。煙草も吸わない、お酒も飲まない、いろいろな数値の健康ぶりに看護婦さんはとても驚いていた。後ろ開きの手術用の服に着替えた後、左手の甲の針を刺して点滴を開始。手術当日は朝ごはんを食べないからか。
しばらく待たされたが、担当の Dr.ローゼンバーグが登場し、隣りの手術室へ移動。トムとはここでさよなら。トムはその後ロビーでずっと待っていたようだ。
LEEPは通常、外来での処置と聞いていたのだが、どこから見ても立派な手術室。点滴をしたまま横になると、今度は点滴のかわりに同じ場所から痛み止めのようなものを入れられる。麻酔ではないので意識はなくならないが、ちょっと眠くなったりぼーっとするかもしれない、と言われた。その後鼻に酸素を吸入される。なんだか本格的に手術っぽくなってきて、一気に緊張感が高まってきた。
しかし痛み止めが効いてきたのか、急に眠気に襲われた。最初に何か棒状のもの(マイクロスコープ?)を膣に入れられたのは覚えているのだが、あとはすっかり熟睡状態で記憶にない。局所麻酔を打たれたことも覚えていない。とにかく目が覚めると、何かも終わっていたのだ。「全然何も覚えていない」とか「麻酔は何本打ったのか」などとちょっと話をしたあと、またうつらうつら。小1時間眠っていたと思う。その間、10分おきに血圧を測られていたようだ。
もう起きてもいいよ、と言われ寝台の上で身を起こすと、少しフラフラするが、まったく痛みを感じない。本当に手術は行われたのだろうか。どのくらいの大きさのものを切り取ったのか聞いたら、透明なプラスチックの入れ物に入った肉片そのものを見せてくれた。直径は5センチ弱、厚さは5ミリ~1センチくらいで、想像していたよりも小さい。きれいな薄いピンク色で、あまりグロテスクではなかった。この肉片を再度検査に出し、細胞の状況を確認するのだ。今、タンポンみたいなもので止血しているのか尋ねたら、薬をぬってあるだけということでナプキンをくれた。実際出血の形跡はほとんどなかった。
手術室を出て着替え終わると、トムが迎えに来てくれた。貧血みたいに少しフラフラするが、痛みは吐き気などは全然ない。一応術後に考えられる症状として、軽い出血(2週間後くらいに患部のかさぶた状態になったところが剥がれるので、そのときが一番ひどい)、鈍痛、微熱と書いてある。10日後に術後の経過観察をして、あとは3ヵ月ごとに通常のパップスメア(子宮ガン検診)をしていくことになっている。
痛みがなかったせいか、本当にあっけなく終わってしまった。看護婦さんの対応はとても親切で丁寧だったし、痛みに対するケアも万全だったので、いざとなると不安もかなり小さくなった。ガンになる可能性があるという異形成部分を切り取り、なんだか体も心も少し軽くなったようだ。
私のブログを読んで、心配してくださったり、優しく励ましてくださった皆様、おかげさまで無事LEEPの処置が終わりました。皆様の暖かい言葉や力強い応援がとても励みになりました。本当にありがとうございました。
実は昨日インターネットで、同じようにアメリカでLEEPを受けた人の体験記をたまたま見つけたのだが、「局部麻酔は4本でとても痛かった」「Loopで切り取られる時ほとんど痛みは感じないが、肉をえぐり取られている感触ははっきりとわかった」「たとえ痛くても、危険なので絶対動いてはいけないと言われた」などの記述を読み、恐ろしさのあまりひとりで泣いてしまった。
その話をトムにすると、「絶対にそんなに痛いはずはない。もしそんなに痛かったら1000ドルあげるから好きなものを買っていい」と、妙な慰め方をしてくれた。痛くなったら「何を買おうかな」と楽しいことを考えて痛みを紛らわせばいい、と言うのだ。
不安な気持ちとはうらはらに、昨夜はぐっすりと眠れた。案内によると、今日は「ミニマルメイクアップで」「前開きのカジュアルな服で」来院するように、とのこと。いつものように日焼け止め色付き乳液を塗り、眉毛を描き、ジーンズと前開きの黒いシャツを身に着ける。
看護婦さんに名前を呼ばれてトムと一緒に中に入る。そこは Pre-operative Area 兼 Recovery Area で、ゆったりとした一人掛けのソファーがある。そこに座って問診を受け、体温と血圧、脈拍を測った。煙草も吸わない、お酒も飲まない、いろいろな数値の健康ぶりに看護婦さんはとても驚いていた。後ろ開きの手術用の服に着替えた後、左手の甲の針を刺して点滴を開始。手術当日は朝ごはんを食べないからか。
しばらく待たされたが、担当の Dr.ローゼンバーグが登場し、隣りの手術室へ移動。トムとはここでさよなら。トムはその後ロビーでずっと待っていたようだ。
LEEPは通常、外来での処置と聞いていたのだが、どこから見ても立派な手術室。点滴をしたまま横になると、今度は点滴のかわりに同じ場所から痛み止めのようなものを入れられる。麻酔ではないので意識はなくならないが、ちょっと眠くなったりぼーっとするかもしれない、と言われた。その後鼻に酸素を吸入される。なんだか本格的に手術っぽくなってきて、一気に緊張感が高まってきた。
しかし痛み止めが効いてきたのか、急に眠気に襲われた。最初に何か棒状のもの(マイクロスコープ?)を膣に入れられたのは覚えているのだが、あとはすっかり熟睡状態で記憶にない。局所麻酔を打たれたことも覚えていない。とにかく目が覚めると、何かも終わっていたのだ。「全然何も覚えていない」とか「麻酔は何本打ったのか」などとちょっと話をしたあと、またうつらうつら。小1時間眠っていたと思う。その間、10分おきに血圧を測られていたようだ。
もう起きてもいいよ、と言われ寝台の上で身を起こすと、少しフラフラするが、まったく痛みを感じない。本当に手術は行われたのだろうか。どのくらいの大きさのものを切り取ったのか聞いたら、透明なプラスチックの入れ物に入った肉片そのものを見せてくれた。直径は5センチ弱、厚さは5ミリ~1センチくらいで、想像していたよりも小さい。きれいな薄いピンク色で、あまりグロテスクではなかった。この肉片を再度検査に出し、細胞の状況を確認するのだ。今、タンポンみたいなもので止血しているのか尋ねたら、薬をぬってあるだけということでナプキンをくれた。実際出血の形跡はほとんどなかった。
手術室を出て着替え終わると、トムが迎えに来てくれた。貧血みたいに少しフラフラするが、痛みは吐き気などは全然ない。一応術後に考えられる症状として、軽い出血(2週間後くらいに患部のかさぶた状態になったところが剥がれるので、そのときが一番ひどい)、鈍痛、微熱と書いてある。10日後に術後の経過観察をして、あとは3ヵ月ごとに通常のパップスメア(子宮ガン検診)をしていくことになっている。
痛みがなかったせいか、本当にあっけなく終わってしまった。看護婦さんの対応はとても親切で丁寧だったし、痛みに対するケアも万全だったので、いざとなると不安もかなり小さくなった。ガンになる可能性があるという異形成部分を切り取り、なんだか体も心も少し軽くなったようだ。
私のブログを読んで、心配してくださったり、優しく励ましてくださった皆様、おかげさまで無事LEEPの処置が終わりました。皆様の暖かい言葉や力強い応援がとても励みになりました。本当にありがとうございました。
by crazytomo69
| 2005-09-07 00:00
| サンディエゴ生活